社交ダンスのレクチャーは、多くの先生が行っていますが、「左腕の使い方」に関するレクチャーは、「非常に珍しい」というより「極めて珍しい」。
そんな中、「画期的なレクチャー」がありました。 田中英和先生です。
レクチャーの内容は、極めてシンプル。
「こんなことして、なんになる!」と言いたくなってくるくらい、シンプルです。
このレクチャーをやることで、どういうメリットがあるのか?
そんなことには、さっぱり触れられていません。
【田中1】左手の4本の指を閉じて、左手の親指を「鼻の頭」に当てる。
【田中2】掌(てのひら)の方向を変えて、掌を正面に向ける。
【田中3】掌(てのひら)を正面に向けたまま(これ、重要)、左腕を横に開いていく。
ただ、それだけです。
わざわざ、こんなレクチャーをやるということは、これをやれば、「なんらかの効果」があるはず。
しかしながら、実際、この田中英和先生のレクチャーには、致命的な欠陥が存在します。
まず、両方の腕を降ろした時には、両腕の親指は「正面」を向いています。
そこから、左腕を持ち上げると、「左腕の親指は、後ろを向き、掌(てのひら)が顔の方を向く」と思います。
親指が後ろを向いたまま、手首を鼻の前に移動させると、【田中1】のように、親指が「鼻の頭」にくっつくハズです。
そして、ここから、親指を「鼻の頭」につけたまま、【田中2】のように、掌(てのひら)を正面に向ける。
「簡単だよね!誰でも出来るよね!」と、言いたいところですが、これで問題発生!
掌(てのひら)の方向を90度変えて、掌を正面に向けるときに、「左前腕を外旋」させる人もいれば、「左前腕を内旋」させる人もいるということです。
どちらの人も
「自分は田中英和先生と同じ腕の使い方が出来たのだから、自分の腕の使い方は正しい!」
と判断してしまいます。
明らかに「どちらかが間違い(田中英和先生とは違う)」なのに、「全員が正解になってしまう」。
いわゆる「玉虫色のレクチャー」だと言うことです。
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