N-33:「左手でボールを投げるイメージ」という教え方
これをみて、
「さすが、金沢正太先生は凄い! 言われた通りやってみたら、完璧だった!」
という人もいれば、
「こんなの絶対にあり得ない。マネしようとしたけど、マネすら出来ない!」
という人もいると思います。
両者の比率はわかりませんが、少なくとも、意見が二つに分かれるはずです。
正直、ナチュラルターンで、こんな動きは、あり得ない。
これって、セットポジションで1塁走者を牽制しながら、3塁に牽制球を投げる時の動きのような。 説明では、ホームベースへの投球ですよね!? 明らかに不自然です。
「どうして、こうなるのか?」
今回は、
「左手でボールを投げるイメージで、左腕のホールドを作る」
というテーマで、謎を解いていきたいと思います。。
■ 「日本の社交ダンス」の基礎・概念を推測する。
金沢正太先生の「プロが教えない~」シリーズは、日本におけるベストセラー。
値段が高い(トッププロのDVD付きの本よりも高い)にも関わらず、多くのダンサーに支持されているようです。
「プロが教えてくれない」テクニック(というか、日本人プロ教師の「見えないボディの使い方」を、惜しげも無く、躊躇することもなく、どんどん公開しているのが、人気の秘訣なのだろうと思います。
金沢正太先生のレクチャーは、「日本の社交ダンス」の基礎・概念に対して、「ほとんど完璧」と言える部分が多々あります。
金沢正太先生のレクチャーを読めば、日本のプロの先生(チャンピオンレベルのプロを含む)の、目に見えないボディの動きが、はっきりと見えてきます。
この動きこそが、「日本の社交ダンス」の基礎・概念だろうと思います。
説明文の通り。 ナチュラルターンで言えば
「決して、上半身・下半身を同時に動かさない。これが最大のポイントだ!」
とあり、
まず、上半身が下半身を横切っていく。
その上半身に引っ張られるように、今度は下半身が引っ張られていく
とあります。
ここで重要なのが、
「上半身が下半身を横切っていく」動きを
「ボールを遠くに投げているイメージ」と言ってる点
です。
良くも悪くも、この認識ことが、「日本の社交ダンス」の特徴なのであり、「日本の社交ダンス」の基礎・概念はここにある! と言ってもいいかと思います。
■ 「左手でボールを投げる」のと同じ「左腕の使い方」は、どれだ???
さて、ここで問題です。金沢正先生と同じ事をやってるのは、誰か?
「左腕の使い方」に着目して、「右足を前に出す」までの動きを比較してみると、、面白いことがわかります。
「左手でボールを投げる」動きと同じ左手の動きをしているのは、誰なのか?
これを考えて行けば、わかります。
まず、日本の元チャンピオン、檜山浩治先生。
【10】の「&カウント」のロアーの姿勢に注目。
男女ペアだとわかりにくいので、下のソロの写真がわかりやすいです。
【3】ロアー(&)の写真
右腕の上腕を外旋させながら、右足の太腿を持ち上げていると、推測します。
「Ballroom Fitness みらい」(上腕外旋はNG、上腕内旋を推奨)でのNGパターン出言えば、【動-138】~【動-139】が、檜山先生の【3】に相当するように思います。
こちらは、「Ballroom Fitness みらい」の推奨パターン(上腕内旋)
上半身と下半身に「ねじれ」というか、角度差はありません。
こっちは、外国人
上半身と下半身に「ねじれ」というか、角度差はありません。
参考例でです、 レッグ・スウィングを掛けると、こんな感じで、左足が寄ってきます。
■ 「ボディの動きの違い」の根底は何? いったい何が違うのか?
ボールを投げるときの投球フォームは、左右で異なります。
『野球な選手なら知っておきたい「からだ」のこと』という本に、わかりやすい説明があります。
タイトルはそのものズバリ。
2.知っておきたい「左と右」のこと。
2-1 右投げのコーチは、左投手に教えられない。
というページ。
つまり、
「右投げと左投げは、投球フォームが、根本的に異なる!」
ということであって、
「右投げの人が、(右投げの要領で)左投げの人に教えてもダメだ!」
という結論に達します。
右投げの人(右投手)は、上腕に「外旋力」が働きます。
つまり、右手ボールを投げる時は、「肩~肘は、後方に反らせる方向に動く」ということ。
右手に割り箸を持って、立った姿勢(または椅子に腰掛けた姿勢、あぐらをかいて足を開いた姿勢で)メシを喰う時も同じ上腕の動きになるかと思います
(正座をして、右手に割り箸を持ってメシを喰う時には、上腕は内旋します)
ところが・・・・
左投げの人(左投手)は、上腕に「内旋力」が働きます。
つまり、左手ボールを投げる時は、肩~肘を後方に反らせるのではなく、肩~肘を内側に回転させながら、前腕(肘~手首)にねじれ(回内)を作っていきます。
「左手に割り箸、右手にどんぶり」でメシを喰う時(左利きの日本人、もしくは、「左手にフォーク、右手にナイフ」でメシを喰うときも、同じであろうと思います。
左投げは、「右投げの左右反転バージョン」のように「上腕外旋」でも、それなりにボールを投げることは出来ますが、根本的に、本来の左投げとは違うハズです。
■ 本来の左投げ(上腕内旋) と 右投げの左右対称反転(上腕外旋)との違い
では、上腕内旋の「本来の左投げ(上腕内旋)」と、上腕外旋の「右投げフォームの左右反転バージョン(上腕)では、いったい何が違うのでしょうか?
これは、「社交ダンスの動き」に近づけた、右投げのフォーム
ボディは「左」に回転するので、リバース系ならば、ピッタリくると思います。
金沢正太先生のレクチャーである 「決して、上半身・下半身を同時に動かさない。これが最大のポイントだ!」
がぴったり当てはまり
まず、上半身が下半身を横切っていく。
その上半身に引っ張られるように、今度は下半身が引っ張られていく
という動きになってます。
右投げのフォームを左右反転させてみましょう。
人間のボディの動きが、完全な左右対称(シンメトリ)であるならば、右投げのフォームをそのまま左右反転させれば、左投げのフォームになるはずです。
金沢正太先生や、檜山浩治先生のレクチャーは、まさしく、こんな感じですね。
ところが、「上腕を内旋」させた左投げのフォームは、そんなふうにはなりません。
左腕での投球では、骨盤は「左方向の回転」が掛かるので、フォロースルー(ボールを投げる)の直前・直後の回転を、右回転である「ナチュラルターン」と結びつけることは出来ません。
左足を前に出してから、ボールを離す事もできますが、その場合はボディは回転しませんので、まさしく、回転の無い「フェザーステップ」の動きになります。
いずれにしても、上半身と下半身は同時に動いてます(ねじれは生じない)し、右足の上でボディが回転することもありません。
■ 外国人の動きを参考にしてみる
では、金沢正太先生のレクチャーで重要視している
上半身と下半身の角度差(ねじれ)に着目して、外国人の動きを見てみましょう!
すべての場面に置いて、左足と左腕の方向が、ほぼ完全に一致しています。
大腿骨(股関節~太腿)でボディを回転させた場合、上半身と下半身の角度は出てこないと思われます。
この際、徹底的に、詳しく見てみましょう
左ボディで床に圧力を掛ける
右足を前に出すための、反復運動
レッグスウィングの前半を加えた場合
静止してレッグ・スウィング
足を前にスウィングしながら、フロアーを撫でる
ライズと回転動作
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ここからは、参考例。
ボディの左右への回転
前進スウィングと、ラテラルスウィング(横へのスウィング)の比較
この中には、上半身と下半身の角度差は・・・・・ありません!
日本の競技会では、上半身と下半身の角度差(シャツの斜めのシワで判定可能)などがが、踊りの優劣の審査対象になるので、
上半身と下半身の角度差が無い人は、アマチュア・ノービス予選落ち
みたいな扱いされるのが実情だろうと思います。
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あ
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