0-03:「踵(ヒール)を浮かせた開脚姿勢」から、両足を正面に向ける
社交ダンスの、男性の左腕のホールドは、「上腕を外旋」させて作ることもできますし、「上腕を内旋」させて作ることも出来ます。
無意識にホールドを作ると、さまざまな要因によって、「肘が上下左右に激しく動いて、固定されないホールド」になってしまいますので、上腕を内旋/外旋、どちらに固定する必要があります。
この「上腕の内旋/外旋」の違いは、カラダの動きの様々なところに「大きな影響」を与えます。
今回は「左右の太腿を引き締める」あるいは「左右の膝を絞り込む」という動作について、考えてみましょう。
「膝や太腿の使い方」を変えるだけで、腕を持ち上げた時の「上腕の内旋/外旋」が変わってきますし、逆に「上腕の内旋/外旋」を変えると、「膝や太腿の使い方」が変わってきます。
【球-120】は、太腿の「前側」を指で押さえて、「太腿の前側」を使って太腿を引き締めています。
この姿勢で、左腕を持ち上げて、親指を「鼻の頭」の方向に向けると、左上腕は「外旋」、つまり「後ろ側に回転」します。
【球-122】のように少し内股にすると、確実に太腿を引き締めることが出来ます。
骨盤が立って、腰の骨が前に出てくるのは、それに合わせて「どちらかの足」を前に出していくことができます。 足を出していくと、内股から両足平行に変わります。
【球-123】両足を平行にして両足を揃えた場合は、踝の上に立って静止することが出来ます。
そこから、踵を持ち上げてやれば、【球-124】のように、母趾球の上に体重が移動します。
さらに、腰の背骨が前に出るので、「どちらかの足」を前に出していくことができます。
【球-20】は、太腿の「後ろ側」を指で押さえて、「太腿の後ろ側」を使って太腿を引き締めています。
この姿勢で、左腕を持ち上げて、親指を「鼻の頭」の方向に向けると、左上腕は「内旋」、つまり「手前側に回転」します。
【球-22】のように両足をV字型に開いた「開脚姿勢」にすると、確実に太腿を引き締めることが出来ます。 このままでは、どちらの足も、前に出すことはできません。
そこで【球-23】のように、少しだけ踵(ヒール)を浮かして、片足もしくは両足の外踝(そとくるぶし)で床を踏みつけてきます。 そうすると、両足が平行になり、「どちらかの足」を前に出していくことが可能になります。
【球-24】のように、最初から両足平行にして、「太腿の後ろ側」を引き締めようとすると、後ろにぶっ倒れたり、お腹が飛び出たりして、さまざまな「悲惨な結果」が待ち受けています。
■ 「上腕を外旋」ならば簡単に出来るけど、「上腕を内旋」させると出来なくなる動き
たぶん、こちらは。「太腿の前側」を引き締めて、「上腕を外旋」させたホールドを作っていると思われます。
篠田学先生は、重要なポイントとして、
「足のボール(母趾球の部分)で床を押さえ、頭は上方に伸ばし、肩は出来るだけ下に降ろす」
「自分の全体重を床の中にめり込ませるような気持ち」
「体重計に乗って、自分の体重以上にメーターの針を動かそうとする感覚」
という点を挙げていて、そのためには
「足で床を、グリップ(glip)する」=「足で床をつかむ」
「足を、スクイーズ(Squeeze)する」=「足をしぼる」
という2つを取り上げてます。
実際に、
「全体重を床の中にめり込ませるような気持ちで、ボールで床を押さえる」
と言う動作が可能なのは、
「太腿(ふともも)の前側を引き締めながら、床を踏み込んだとき」
言い換えれば「上腕を外旋させてホールドを作った時」
に限られると思います。
「太腿の後ろ側を引き締めながら、母趾球(ボール)に直接体重を掛けようとしても、カラダが捻れてしまいます。
これは、「上腕を内旋させたホールド」では、この動作が出来ないこと意味します。
たぶん、後ろ足から前足への体重移動は、
「太腿の前側を引き締めがながら、体重移動を行ってる」
と思われます。
「支え足の母趾球」に体重を掛けて、太腿の後ろ側を引き締めて、体重移動をすると、胴体(ボディ)は、真っ直ぐに進まずに、思いっきり、左右どちらかに曲がっていきますから・・・。
■ バレエの基本はすごい開脚! 開脚姿勢で、踵(ヒール)を浮かせる方法は?
いつ見ても、バレエの開脚(約180度)は、「凄い!」の一言に尽きます。
なにより、姿勢が美しい。 逆立ちしても、勝てる気がしない。
バレエに比べると、「社交ダンスの立ち方」ならば、文字通り「誰でも出来ます!」
たぶん、バレエは、「太腿の後ろ側を引き締めている」と思われます。
さあ、バレエを始めよう! ~あなたもきれいにダイエット/ダンスマガジン編
バレエ・テクニック 足のポジション (74~75頁) |
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第一ポジションから第五ポジションまで、すべて両足の土踏まずを上に上げるようにして行ってください。
ただし、だからといって、足の裏を縮めてはいけません。 |
バレエの開脚の写真を見ると、踵(ヒール)が床についてます。
でも、足の裏全体が床に貼り付いているわけでは、なさそうです。
「両足の土踏まずを、上に上げるようにして・・・」とあります。
どうやったら、土踏まずが上がるのか?
左手に持っている「棒」に秘密がありそうです。
棒を持って、棒を握ると、腕の筋肉が変化するはずです。
さあ、バレエを始めよう! ~あなたもきれいにダイエット/ダンスマガジン編
バレエ・テクニック 手のポジション (79~80頁) |
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すべてのポジションは、肩をしっかり降ろし、肩から肘まではアン・ドゥダン(内回り)に使い、膝(←誤記?)から指先までは、アン・ドゥオールさせながら、外に張ります。
このことにより手全体は張りのある自然な丸みを持つ結果となります。 |
よくわからないけど、上腕(肩~肘)は、内回り(内旋)で良さそうです。
この腕の使い方で「両足の土踏まずを、上に上げるような感じ」になれば、良さそうです。
■ 社交ダンスのホールドなら、踵(ヒール)を浮かすことは簡単です!
バレエは難しそうですが、社交ダンスのホールドで、「踵(ヒール)を浮かせる」には、簡単です。
強制的な「普段よりも内股」の立ち方であっても、「足首を伸ばして、足の裏の踵(ヒール)の部分を持ち上げる方法」ならば、踵(ヒール)を浮かせるのは簡単です。
ところが、「足をV字型に開脚」して立った場合は、「足首の力で、踵(ヒール)を浮かせる」ことは、不可能に近いと思います。 太腿(ふともも)を引き締めても、踵は床から浮かないと思います。
でも、左腕には、「土踏まずを吊り上げるためのツボ」が、いくつか存在ます。
なんらかの「ワザ」を使って、「ツボ」を刺激してやれば、簡単に土踏まずは、吊り上げられます。
人間の腕には、複数の筋肉が、複雑に絡み合っているので、それらを上手に使えば、「腕を使って、土踏まずを吊り上げる」ことが出来、その結果、踵(ヒール)は床から浮きあがります。
【立-41】~【立-43】では、左腕を降ろすことで、「土踏まずが吊り上げる」ことができます。
ただ、この腕の位置では、土踏まずを高く吊り上げるには、掌(てのひら)20cmとか30cm動かす必要があります。
【立-48】~【立-49】の位置ならば、掌(てのひら)を数ミリ動かすだけで、土踏まずをめいっぱい吊り上げることが出来ます。
つまり、、「社交ダンスのホールド」の左腕の位置こそが、
「腕を使って、土踏まずを吊り上げるための、もっとも、敏感な位置」
だろうと思われます。
いずれにしても、「左腕を使って土踏まずを吊り上げる」動きは、「左腕の上腕を内旋させる」動きが基本になっており、「左腕の上腕を内旋させる」と、「太腿の後ろ側が、引き締めれる」のだろうと思います。
左腕で「土踏まずを吊り上げる」ことが出来たら、外踝(そとくるぶし)を踏んでいきます。
支え足になる側の外踝(そとくるぶし)を踏み込んでいけば、両足が平行になります。
上手に左右の足の外踝(そとくるぶし)を踏み込んでいけば、いろんな動きが可能になります。
なぜ、外踝(そとくるぶし)を踏み込むと、外側に倒れることなく、反対の足が前に出ていくのでしょうか? 不思議ですね。
下半身の筋肉の名前とかは、さっぱりわかりませんが、「太腿の後ろ側」の筋肉が、(伸びる方向ではなく)「引き締める方向」に使っているからだろうと思います。
これは、【立-91】で、最大限に「土踏まずを吊り上げる力」を掛けておいて、
【立-92】~【立-93】で、最大限に「左足の外踝(そとくるぶし)で床を踏み込む力」を加えてます。
このとき、「左腕の上腕は内旋」していて、左腕の前腕には、ねじれ(回内)が掛かっています。
ここから、【立-94】~【立-95】のように、「右足の足首の踵の真上の部分」に踏み込みを掛けていくと、右足が前方へと進んでいきます。
このとき、両足の太腿には、「太腿の後ろ側を引き締める力」が掛かっているはずです。
「左腕の上腕は内旋」と、「左腕の前腕のねじれ(回内)」は、継承ししています。
最後に、ちょっとした「お遊び」です。
いい加減な「開脚」の姿勢から、社交ダンスの「見覚えのある姿勢」へと変化させてます。
この「足の向きの変化」には、いったん「踵を浮かせる」必要があります。
左腕を使って、土踏まずを吊り上げ、踵を浮かせてますが、そのときの上半身のブレは僅かです。
こんな、「どうでもいいこと」をして遊ぶことが出来るのが、社交ダンスのホールド。
慣れてくると、いろんなことが出来ます。 面白いですよ。
このときも、
「太腿の後ろ側を引き締める力」「左腕の上腕は内旋」「左腕の前腕のねじれ(回内)」
の3つが、ペアになっているはずです。
最初に、「こんな面白いホールド」を考えた人(おそらくはイギリス人)は、天才ですね。
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《 「難しい英単語」に潜む罠 》
社交ダンスで使う英語には、「フット・プレッシャー」というのがあるようです。
日本語にすると、「足で床に圧力を掛けろ!」という意味になるのでしょうか。
「足で、床を踏み込め! 床に圧力を掛けろ!」と言われれば、
「足の裏全体を床に貼り付けて、体重を掛ける」人もいれば
「足の裏を使わずに、足首に体重を掛ていく」人もいます。
どちらの方法でも、「体重計の針」の数値は同じです。
でも、「フット・プレッシャー フルパワー・ プリーズ!」とか言われると、その時点で、思考を停止してしまう。 ただひたすらに、先生の真似をする。
「床をグリップ! 足をスクイーズ!」とか、言われたときも同じです。
先生の言ってることや、やってることは、「すべて正しいことなのだ」と思い込んでしまいます。
「難しい英語」には、魔法のような、不思議な魔力があります。
これは、社交ダンスでは、よくある話。
思考停止にならないように! 「難しい英単語」には、要注意!
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