【§9-01】
「背筋を伸ばす」には
 骨盤は前傾?後傾?
【§9-11】
右手は拳(陽/太陽)、
   左手は掌(陰/月)
 ~太極拳にみる
   左と右の違い
【§9-12】
手首を使って
 真っ直ぐに立ち上がる
 ~手首を掴むと、
   ボディを動く
【§9-13】
左の骨盤は後傾気味、
 右の骨盤は前傾気味!?
  ~左右の骨盤は非対称?
【§9-14】
足を前方に
 動かしにくいのは、
  左足?右足?
  ~左右の股関節の働き
【§9-15】
「上腕の外旋」と
 「骨盤の平衡感覚」
~上腕の外旋による骨盤の変化
【§9-16】
骨盤のてっぺん
 (腸骨陵)を意識?
 骨盤の前かど
  (ASIS)を意識?
Ballroom Fitnessみらい
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【§9-01】
「背筋を伸ばす」には
 骨盤は前傾?後傾?
【§9-11】
右手は拳(陽/太陽)、
   左手は掌(陰/月)
 ~太極拳にみる
   左と右の違い
【§9-12】
手首を使って
 真っ直ぐに立ち上がる
 ~手首を掴むと、
   ボディを動く
【§9-13】
左の骨盤は後傾気味、
 右の骨盤は前傾気味!?
  ~左右の骨盤は非対称?
【§9-14】
足を前方に
 動かしにくいのは、
  左足?右足?
  ~左右の股関節の働き
【§9-15】
「上腕の外旋」と
 「骨盤の平衡感覚」
~上腕の外旋による骨盤の変化
【§9-16】
骨盤のてっぺん
 (腸骨陵)を意識?
 骨盤の前かど
  (ASIS)を意識?
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作成日:2013/11/10、最終改訂日:2013/12/07

9-11:右手は拳(陽/太陽)、左手は掌(陰/月) 

社交ダンスとは、まったく関係なさそうなのが、太極拳。

社交ダンスと太極拳の両方をやっている人もいるけれど、両者の基礎に関係があるのかないのか、なかなか教えて貰う機会は「無い!」

本を読んでいると、「左と右の違い」について、書いてあった。
正直、これは、すごい!

 
誰にも聞けない太極拳の「なぜ?」

・著 者:真北斐図(まきた あやと)
・発売日:2011年08月
・出版社:BABジャパン
・ページ数:203ページ
・価 格:1575円(1500円+消費税)

誰にも聞けない 太極拳の「なぜ?」(Amazon)
誰にも聞けない太極拳の「なぜ?」(楽天ブックス)

内容紹介(「BOOK」データーベースより)

太極拳って武術なんですか?それとも健康法?どうして健康にいいの?ゆっくりな動きで戦えるの?
“今さら聞けない素朴な疑問”から、“誰も教えてくれない秘密”まで。
「なぜ」が分かるほど、上手くなる。強くなる。健康になる。


   誰にも聞けない太極拳の「なぜ?」 68ページ
 第4の「?」 左右対称でないのはなぜか?
  Question 質問

 白鶴亮翅や手揮琵琶は、なぜ片方だけしかないのですか?
 左右対称でないのはなぜですか?

Answer 答え

 太極拳の動作は、左右対称の理解ではわかりません。
 本来右と左は性質が異なるのです。
 


太極拳の最初の勢が「気勢(きせい)」、次の勢が「野馬分?(のまぶんぞう)」。
そして三番目の動作(第三勢)が、この「白鶴亮翅(はっかくりょうし)」になるそうです。

で、この「白鶴亮翅」の完成姿勢は、左右対称には、なっていない。
「右足に重心を掛けて立つ」動作はあるけど、逆の「左足に立つ」動作はありません
・・・・とのこと。
「手揮琵琶(しゅきびわ)」も、同様に右足で立っています。左足の手揮琵琶は無いとのこと。

   誰にも聞けない太極拳の「なぜ?」 68ページ
 第4の「?」 左右対称でないのはなぜか?
  7.右手は陽で 左手は陰
  (前略)

 それは、中国式のあいさつのことです。
太極拳の表演者がステージで客席に向かって挨拶するとき,左手の掌に右手の拳をつけて、礼をします。中国の伝統的な挨拶です。

 その右手の拳は「陽(太陽)」を、左手の掌は「陰(月)」を表しています。

 体の右と左では、役割が違うのです。表面の見た目では左右対称でも、人体の深いところで観察すると、それはシンメトリーではなく、ほぼ例外なく共通した「左右の違い」があるのです。

(中略) 下に続けます


   誰にも聞けない太極拳の「なぜ?」 68ページ
 第4の「?」 左右対称でないのはなぜか?
  7.右手は陽で 左手は陰
  (前略) 続き・・・・

 右手は「攻撃」、剣や矛を持つ手です。左手は「防御」、盾を持つ手です。この事例は世界中の様々な地域で見ることができます。

盾は左手に持って初めて役に立ちます。右手に盾は持てません。なぜなら、右手には、左手に比べ支える力がないからです。これは右手になにか重いものを持って、実際に試してみれば実感できるはずです。

(中略)

運動が盛んなのが「陽」の右手、それを抑え込んだり、バランスを取るのが「陰」の左手なのです。

 武術とは左右の違いを理解して行う身体操法なのです。

最後の1行が、とても印象的です。
日本(あくまで日本国内)の社交ダンス(スタンダード種目)では、左右の違いについて説明するどころか左右の違いについて、触れようとする人すら、皆無といっていい(トッププロを含めて)ので、差は歴然です。


では、「中国の伝統的な挨拶」である、「左手を掌(陰)・右手を拳(陽)」の原則が、どのくらい「社交ダンス」に通用するか、試してみましょう。

「左手を掌(陰)・右手を拳(陽)」の考え方の有無は、「太極拳」の動きよりも、もしかしたら「社交ダンス」の動きの方が、大きな差として出てくるかもしれません。


これ以外にも、太極拳には、とても興味深い「概念」が存在するようです。


「天の中心軸」と「地の中心軸」という概念です。

単に「両手でボールを抱きかかえている」意識と、「左手の掌・右手の拳」を意識、さらにこれを逆にした「左手の拳・右手の掌」の意識では、「地の中心軸」の意識には大きな違いはありませんが、「天の中心軸」の意識に、非常に大きな違いが出てくるように思えます。 どうでしょうか?


社交ダンス(スタンダード種目)においては、「自分の中心」と「ふたりの中心」という考え方も成り立ちます。
両肘を持ち上げた、「社交ダンスのホールド」、「ボールを抱きかかえたイメージ」に該当するのか?、それとも「両肘を真横に張ったイメージ」に該当するのか?
この違いは、とても重要ですね。


この先は、「太極拳」とは、まったく無関係・・・・
この先は、「社交ダンス(スタンダード)」の世界として、詳しく説明していきます。


もし、両者に共通点があったら、それは「すごい!」ことだと思います。


-*-*-*-*-*-*- この先、太極拳とは、関係ありません -*-*-*-*-*-*-*-

● 右手の拳(こぶし)の攻撃を、左手の掌(てのひら)で受けとめる。


 
「左手を掌(てのひら/陰)・右手を拳(こぶし/陽)」の「バリエーション(!)」を、7つ,考えてみました。 いずれの形においても、ボディは同じような動きをします。


【2】が基本形・・・としましょう。
右手の拳(こぶし)の角で、ぎゅーーーっと、左手の掌(てのひら)を押しつけます。

【3】は、
右手の拳(こぶし)の角で、ぎゅーーーっと、左手の掌(てのひら)を押しつけたまま、左手の掌(てのひら)で、右手の拳(こぶし)を、優しく包み込みます。

【1】は、両手を少し離したところです。
左手に、「右手の拳の角」の余韻を残したままに、両手を少しずつ離していきます。
「右手と左手が関連づけられている」という表現が良いのか「左手に右手の余韻を感じる」という表現が良いのかわかりませんが、「左手と右手がそっぽを向く」のとは反対の意味です。

【4】は、左手の掌(てのひら)の先端(実際には指です)を、右手の拳(こぶし)の中に突っ込んで、右手の動き(攻撃性)を抑え込みます。

【5】【6】は変則パターン。 左手の掌の先端(実際には指です)を、逆方向から、右手の拳の中に突っ込んで、右手の動き(攻撃性)を抑え込みます。

そして、左右の違いが出やすく、違いが明確に出やすいのが【5】の変形。
右手に拳(こぶし)を作り、右手を脇の下から背中に回す。
左手の掌(てのひら)を肩の上からまわして、指先を右手の拳の中に入れて、引っぱる形。

それでは、7つのバリエーションで、実験開始です

「まずは、右手の拳(こぶし)を、左手の掌(てのひら)で包み込む」イメージで、ボールを持ってみましょう。ボールは、正面では無く、左斜め前に置いて、そこからボールをそして垂直に持ち上げます。


両手の形は【1】、つまり「両手を少し離して、「右手の拳を左手の掌で受ける」形です。
これで、腰の左前方のボールを持ち上げると、「腰はボールの方向を向く」はずです。

ついでに、ボールを左右に動かして見ましょう。
ボールを動かせば、「おへそ」は、ボールに連動して動くと思います。

この形で、社交ダンスのホールドを作っていくと


これと同じようなホールドになってくるはずです。


以前の実験を、もう一度確認します。
背中に手を回す実験は、下の図は【5】の変形です。
あくまで「右手の拳(こぶし)を、左手の掌(てのひら)で包み込む形」の応用です。

まず、ボディの前側で、右手で拳(こぶし)を作り、左手の掌(てのひら)に押し当てます。
そして、拳(こぶし)の角で、ボディ(右みぞおち〜脇の下〜背中)を擦りつけるようにして
右腕を持ち上げていきます。
普段、「右腕が上がらず、背中を掻くことが出来ない」人でも、こうすると、右腕が高く上がります。

さらに、左手の掌(てのひら)を、上から背中に回して、右手の拳(こぶし)を掴み込みます。
右手の拳の中に指を入れて、右手の拳を引っぱるように、つかみ込むと良いです。


ボディを回転させると、綺麗に回転できます。
肩のラインが綺麗に回転して、「おへそ」は、ほどほどに回転します。
腰の捻れ(ねじれ)は、ほとんどありません。

真っ直ぐに進むときも、同様。



足を出しても、おへそは正面を向いたまま、両肩は平行。 姿勢は全く崩れません。

背中に手を回したパターンが一番、効果が出やすいのですが、ボディの前(へその前)に両手を置いた【1】〜【6】のどのパターンにおいても、これと同じ結果になるハズです。
いずれにしても、姿勢は「全く崩れない」か「ほとんど崩れない」と思います。


次の実験です。

 

この実験は、「右手と左手の鬼ごっこ」みたいなものです。
逃げる右手の拳(こぶし)を、左手の掌(てのひら)が追いかけます。


右手の拳(こぶし)の向きを、いろいろ変化させます。
右手の拳が、左手から逃げる動きをさせます。

そして、左手の掌(てのひら)が、右手の拳を追いかけさせます。
左手の掌で、逃げる右手の拳を捕まえる。そして右手を包み込む。
両手が離れていても、「右手と左手が関連づけられていればOK」。
両手が離れていても、左手の掌に、右手の拳の角の余韻を感じることができればOK」。

「右手の拳(こぶし)の第二関節」を、自分が行きたい方向に向け、少し前方に伸ばしてやれば、ボディは、自然と「右手の拳の第二関節」の方向に、どんどん進んでいきます。



この感覚、クローズドチェンジでやってみると、とても面白い動きになります。


「右手の拳(こぶし)の角」は、背中に当たっています。

両足が揃う少し手前【左-53】の時点で、「右手の拳(こぶし)」の方向を少し変えてやります。
右手の拳を、少し左に向けてやるだけで、【左-55】のように左足は左に急カーブして、「クローズドチェンジ」になります。

右手の拳の向きを、少し右に向けてやると、ワルツの「ナチュラルターン」になります。
右手の拳の向きを、変化っせなければ、スローふぉっくとロットの「フェザーステップ」になります。

すべて、「右手の拳の、微妙な動き」によって、ボディ全体の方向を変えることが可能になります。

なお、この動きに関しても、背中に手をまわす必要はなく、おへその前に両手を置く、基本の【2】のパターンでも同様な事が出来ます。 (背中に手を回した方が確実ですが。。。)


●「逆の動き」をやると、どうなるか?

それでは、中国人の挨拶とは、正反対の動きを検証していましょう。


左手に拳(こぶし)を作って、右手の掌(てのひら)で受け止めると、ボディの動きはどうなるか?



左手の拳(こぶし)で、右手の掌を、グリグリグリッ!と擦りつけてから、これをやると、腰がボールから、逃げまくります。 こんな感じになりやすいはずです。

ここで、左手に拳を作って、左手を動かしても、右手の掌(てのひら)は、追従してきません。
両手を少し離して、社交ダンスの「シャドウ」(一人で踊ってみること)してみればわかりますが、動いているうちに、どんどん両手の間隔が離れていって、最終的には、両肘が真横に行きます。

「左手に拳を作る」と、左手と右手が、お互いに「そっぽを向く」ということです。
そして、右手の肘を真横に張った状態、右手の掌(てのひら)が天井を向こうとするはずです。

最終的には、ずばり。。。このホールドと同じ立ち方になります。


「左の骨盤は反応しない、右の骨盤の前傾/後傾の反復運動によるボディを動き」になります。


試しに、両足を揃えた所から、「左手の拳(こぶし)を右手の掌(てのひら)で包み込む」 ようにして、片足を前に出して見てください。 たぶん、真っ直ぐに足を出したつもりでも、姿勢が崩れると思います。


おへその前に両手を置いて、「左手の拳(こぶし)を、右手の掌(てのひら)で包み込む」ようにした場合も、多かれ少なかれ、これに似たような姿勢になるハズです。


腰を捻らないでおこうとすれば、へそだけが回転して、肘とか腕は回転しません。
肘とか腕も、一緒に回転させようとすると、腰が大きく捻れます。


こんどは、「左手の拳(こぶし)を右手の掌(てのひら)で包み込む」姿勢で、クローズドチェンジをやってみましょう。


こうなる人もいれば、こうならない人もいるかも。
ハイヒールを履いてやれば、「右足が爪先ツンツン立ちになる」ので、地面を蹴るイメージはないかもしれませんが、それでも体重は右足に乗ってきます。

【左-22】〜【左-23】において、左肩・左肘が大きく動いて、前に出ます。
というより、左肩・左肘を、意識的に前方に押し出さない限り、ボディは前に進まないハズです。

「クローズドチェンジ」「フェザーステップ」「ナチュラルターン」の違いは、どこになるでしょうか?
すべてへは、「左肩・左肘」を前方に押し出すときの強さと、方向の違いで、ボディの方向を決めることになります。


●決まっているのが「太極拳」、どちらでもいいのが「社交ダンス」

 太極拳は、動作がゆっくりしているので、姿勢が崩れたら、崩れた時点でNG。

 社交ダンス(スタンダード種目)の動作(特に左肩・左腕の動作)は、かなり素早いことが多いので、姿勢が崩れることを利用して、崩れる直前に、左ボディを大きく動かしてやればOK。

 もちろん、社交ダンス(スタンダード種目)も、太極拳のように、崩れないように踊ることはできますが、それが正しいとは限らないようです。

社交ダンスの場合、踊り方なんて、どうでもいいわけで、踊る人が「自分が、こっちのほうが楽しい!」と感じる踊り方を、目指せばいいんだろうと思います。

最終的には、「師匠(というか先生)が、どちらの方法で踊っているか」。。。これに尽きると思います。


《  じゃんけんの「グー」の扱い  》


じゃんけんと言えば、「グー」「チョキ」「パー」

単純に考えれば、拳(こぶし)が「グー」で、掌(てのひら)が「パー」のように考えてしまいがちです。

でも、反対側の手の拳を、包み込もうとしたけど、拳が無かったので、結果的に「グー」になってしまった・・・というパターンもあります。


強く握った右手の拳(こぶし)を、左手の掌で、優しく包み込んだとき。
拳(こぶし)を同じ大きさのボールを、左手の掌で、優しく包み込んだとき。
拳の半分の大きさのボールを、左手の掌で、優しく包み込んだとき。
卓球の球よりも小さいボールを、左手の掌で、優しく包み込んだとき。
直径1mmのボールを、左手の掌で、優しく包み込んだとき。

これらは、「左手で拳(こぶし)を作る」のとは、違うはずです。

同じように、手を指を曲げて、じゃんけんの「グー」を作ってるように見えても、拳(こぶし)を作っている時もあれば、掌(てのひら)で優しく何かを包もうとしている時もあるように思います。

この違いは・・・・・・・「とても大きい」と思います。
この違いが、ボディ全体の動きに与える影響も・・・・大きいはずですよね。



【§9-01】
「背筋を伸ばす」には
 骨盤は前傾?後傾?
【§9-11】
右手は拳(陽/太陽)、
   左手は掌(陰/月)
 ~太極拳にみる
   左と右の違い
【§9-12】
手首を使って
 真っ直ぐに立ち上がる
 ~手首を掴むと、
   ボディを動く
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