9-14:足を前方に動かしにくいのは、左足?右足
人間のカラダは左右対称(シンメトリ)になっていない・・・・ということで、面白い実験が続きます。
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(SJセレクトムック No. 27 剣道日本)
常歩剣道 伝統的打突法
・著 者:木寺英史(著)
・価 格:907円+消費税
・発売日:2015年04月27日
・出版社:スキージャーナル
・ページ数:96ページ
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■ Amazonの内容紹介(一部)
カギは「左荷重」にあった。
『本当のナンバ 常歩(なみあし)』から10年、筆者が発見した、伝統的打突法と常歩剣道の習得法を徹底図解。
<中略>
もっと美しい剣道、もっと剣道らしい剣道を求める剣士、あるいはもっと心地いい剣道を求める剣士は必見! |
片足で立って、片足を浮かせて、後ろに手を組んだとき、
「後ろに倒れやすい方」は、どっちでしょうか? という実験。
人間のカラダが、左右対称だとすれば、どちらの足で立っても(どちらの足を持ち上げても)、「倒れやすさ」は変わらないはずです。
でも、実際にやってみると、左足で立った場合は後ろに倒れにくく、右足で立った場合は倒れやすい。
じゃぁ、どうして、そんな結果になるのでしょうか?
● どうして、そうなるの? 理由を想像してみる
人間のカラダの動きなので、「これが正しい」という結論はでません。
でも、理由を予想して、「たぶん、こういう理由だろう」と推測することはできます。
もし、人間の骨盤が
「骨盤の左側を後傾させて、その反発力で骨盤の右側を前傾させる」
ことで、バランスを取っているのだろうすると、どうでしょうか?
「背筋を伸ばして、姿勢を正す」方法には、何種類かありますが、
人間には、面白い習性があって、
骨盤の左側を後傾(後ろに倒す)させようとすると、骨盤の右側が反発して前傾しようとする(前に起きようとする)ことで、バランスが取れる。
けれど、
骨盤の右側を前傾(前に起こす)させようとしても、骨盤の左側は反応しない。
というのがあります。
実際に、この習性を利用して、
まず、骨盤の左側を後傾させて(左腕・左手首の回転が必要)から、
その反発力で骨盤の右側を前傾させてバランスを取る。
という順番で、両足で立った場合には、片足を持ち上げて、どちらの足で立っても、簡単には、後方に倒れなくなります。
この手順を踏まずに、骨盤全体を前傾させたり後傾させたりする意識で立った場合には、「右足で立った時には、ほぼ確実に、後ろに倒れる」と思います。
● 推測に矛盾点がないか、検証してみよう!
***文章追加予定***
「錯覚のスポーツ身体学」でも同じような実験をやってるので、この推測が正しいかどうか、考えてみましょう。
【写真左】
左足で立って、右足を浮かし、後ろの棒を押してもらった時、
左側の骨盤は「後ろに倒れる」方向、つまり、後傾するはずです。
棒を押されることによって、棒を握る力が強くなります。
棒を「左手の小指側から握り締めていけば」、左手首は「右」に回転します。
その結果として、骨盤の右側が、前傾(前に起きる)しようとするので、背中の棒を下に押し下げても、倒れないのだろうと推測できます。
【写真右】 左足で立って、右足を浮かし、後ろの棒を押してもらった時、
右側の骨盤は「前に倒れる」方向、つまり、前傾しようとするはずです。
しかしながら、棒を押す力が強いので、右の骨盤は後ろに倒れていく(後傾)していくと思います。
ここで、浮かしている左足側の骨盤、つまり左の骨盤を前に起こす(前傾させる)ことでバランスを取れればよいのですが、左の骨盤を前に起こそうとすると、余計に右の骨盤が後ろに倒れようとするので、結果として、バランスを崩すのだろう推測できます。
■ 右の股関節には「後方向の力」が働く=左足を前に出しにくい!
上記の実験の「錯覚のスポーツ身体学」の説明は、こんな感じになっています。
「右の片足立ち(左足を持ち上げる」)では、「右の股関節に、後ろ方向の力が働く」ので、(両手を背中に回して)後ろの棒を押すと、後ろに倒れやすい・・・ということのようです。
少し、分かりづらいですね。
こちらの「常歩剣道・伝統的打突法」の説明の法が、わかりやすいですね。
右加重(=右足で立って、左足を持ち上げている)の状態からは、後ろに下がりやすい。(持ち上げている左足を後ろに下げやすい)
これは、「右足で立っている時には、左足を前に出しにくい」とも言えます。
逆に、左加重(=左足で立って、右足を持ち上げている)の状態からは、前に出やすい。 つまりは、持ち上げている右足を前に出しやすい。
「右足を後ろに出しにくい」とも言えます。
この現象を、最大限に発揮させるためには、この「腰掛け方」をすると、現象がハッキリ現れるように思います。
まず、腰椎(こしの背骨)を前方に出しながら、出来るだけ「骨盤を立てて」座る。
骨盤を立てたまま、立ち上がり骨盤の一番高い位置に両手を置く。(両手は横)
そして、ハムストリングス(太腿の後ろ側)を持ち上げて、踵を持ち上げる。
おそらく、左右の骨盤は、大きく前傾している(前に起きている)と思います。
この姿勢から、左足を前に出して見て下さい。
左足を前に出すとボディが不安定になり、左足を前に出しづらいと思います。
逆に、左足を後ろに下げるのは、わりと簡単だと思います。
右足は、前に出しやすく、後ろに下げにくいと思います。
「左右の股関節の働きの違い」が、はっきり「実感」出来るかと思います。
■ 骨盤に「右回転」を掛けると、「足を出しにくい」現象が消滅する!!
では、左右の骨盤を手で掴んで、右に回転させて
骨盤の左側を後ろに倒し(後傾)、骨盤の右側を前に起こす(前傾)
そのまま、両手で骨盤を掴んで回転させたまま、立ち上がって、
(右足を支え足にして)左足を前に出す。
あるいは、(左足を支え足にして)右足を後ろに下げる。
どちらも、スムーズにできるようになると思います。
(骨盤を掴んで、左の後傾、右の前傾の意識を保つことができれば・・・ですが)
参考までに、右足が前、左足が後ろの状態から、骨盤を前に動かしていき、
結果的に、「左足を前に出していく」方法は、こんな感じになります。
右手の人差指の力を抜いて、「左手の筋肉の変化」によって、
「ボディ全体に、(ネジを締めるのと同じ)右回転によるボディの緊張感」
を与えることによって、ボディが前方に進んで行く感じです。
このボディの使い方では、日本の社交ダンスで、プロ教師免許を取得することは「限りなく、不可能に近い」のが現状です。
プロの先生(教師免許の試験をやってる人たち)が、「このようなボディの使い方が、存在している」ということを、断固として認めようとしないからです。
日本では、風俗営業法によって、教師免許の無い人がダンスを教えてはいけない決まりになっていますので、このボディの使い方する(日本の)ダンサーは、少数派だと思います。
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あ
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