:「腕(カイナ)の返し」は、究極奥義!
ハイヒールを履いて歩く女性、もしくは、踵のある靴を履いてある人にとって、是非とも注目しておきたい「究極の奥義(おうぎ)」があります。
それが、相撲のテッポウ。 裸足の相撲 と ハイヒールの社交ダンス!
・・・・・ まさか!! あり得ない!! 嘘だろ!!! ほとんどの人は、そう思うでしょう。
相撲のテッポウの動きは、ただ単純に
「左右の腕を、交互に前方に伸ばし、腕と同時にボディを出す、ボディと一緒に足も出す」
という、単なるナンバの動き(同じ側の足と肩が前に出る歩き方)だと、思っている人も多いのかもしれない。
ところがどすこい!! ・・・・じゃなくて、ところがどっこい!! ・・・・あぁ、オヤジギャグ!
テッポウには、「腕を返す」(カイナを返す)という、究極の奥義 というか「超!スゴイ技」が隠されています。
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シコふんじゃおう 日本伝統のコアトレがすごい!
・著 者: 一ノ矢 充
・発売日:2009年03月
・出版社:ベースボール・マガジン社
・ページ数:111ページ
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1日10回で元気になる!みんなにおすすめの「シコトレ」初公開。場所をとらず、器具も使わず、楽しい「シコ」時間はじめましょう。
腰痛・冷え性・便秘・ヒップアップ・ウエストシェイプなどに効果的。股関節の使い方をマスターすれば、体が強くなる! 機能する!
写真モデルには空手界のアイドル、小林由佳が登場!
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この本には、相撲の基本動作(基本トレーニング)である、四股(シコ)・腰割り・、股割り・テッポウ・蹲踞(そんきょ)・すり足などを、紹介しています。
女子空手の小林由佳さんが、モデルをやってるので、ある意味、女性向きの本だとも言えます。
■ 「腕の返し」と、踵(ヒール)・内踝(うちくるぶし)との関連に注目!!
この本を紹介したのは、「相撲のエクササイズって、すごいんだよ!」ということを紹介したかったためではありません。
相撲のテッポウにおける、
「手首の回転」と、踵(ヒール)・内踝(うちくるぶし)との関連
に着目するのが目的です。
腕を伸ばすときに、ただ漠然と、前方に突き出しすのはNG.
肘を張るようにして、親指を下に向けながら、腕を伸ばしています。
つまり、「カイナを返す」「腕を返す」「かいなを返す」・・・・という動き。
この点、一点だけに絞って考えてみることにします。
Wikipedia > 腕(うで・かいな) を見ると「かいな」は、こんなふうに書いてあります。
かいな(腕・肱):
腕、すなわち肩から肘を表す古語。
今でも相撲ではこの語を使う。
ただし、肩から手首までを指す事もあった。
「伸ばした腕の親指を下にすれば向ける」と書いてありますが、単純に、左腕全体を、同時に「右」に回転させると違和感がありますし、左肩が浮き上がります。
左腕を前方に伸ししていくさい。
前腕・肘・上腕を、回転させないようにして、「左手首」だけを、ゆっくりと「右(ネジを締める方向)」に回転させているようです。
左手首を右にどんどん回転させると、手首に引っ張れるように、前腕が右に回転します。
左手首と前腕が、右に回転すると、前腕に引っ張れるように、左肘が右に回転します。
左手首と前腕と肘が、右に回転すると、肘に引っ張れらるように、上腕が右に回転します。
腕と一緒に足を動かすのは少々難しいので、両足を動かさずに、左手首を回転させながら、左腕を伸ばしたり縮めたりする動作だけを行えばよいと思います。
左手首だけを右(ネジを締める方向)に回転させようとすると、上腕は逆方向(左方向)に動いて、手首に「捻れ」が加わるような感じになります。
後半は、こんな感じです。
左手の親指を下に向けたまま(左手のカイナを返したまま)、右腕を出していきます。
そうすると、左手は、手前に動きます。
正確に、「腕を返す(カイナを返す)」動作を行うと、絶対に踵(カカト)は浮き上がりません。
左右どちらの腕を動かしたときでも、両足の「内踝(うちくるぶし)」が押し下げられます。
やってみると、面白いです。
■ 「踵のある靴」を想定して、「カイナの返し」をやってみる
これは、とても、興味深いポイントです。
この「カイナを返す」という動きは、「裸足」の時よりも、「踵(ヒール)のある靴を履いた時」の方が、遙かに、その効果が大きいという点です。
ハイヒールの代わりに、厚みのある本の上に踵を載せて、実験しましょう。
【カイナ-41】両足を揃えて立ち、左手首を左に回転させながら、左腕を伸ばします。
【カイナ-42】左手首を左回転を「解除しないように」して、左腕を少しづつ、手前に引いていきます。
【カイナ-43】真っ正面から、「誰かに掌(手のひら)を押してもらって、一定のテンションを掛けながら、それを受ける」ような感覚で、左腕を引いていきます。
【カイナ-45】そうすると、右手は自然に持ち上がって、図のような姿勢になります。。
社交ダンスで見かける、なにかの姿勢に似ていませんか?
これは、社交ダンスを踊り始めるとき、離れて立っている男女が、「合体」するときの姿勢に似ています。 男性が【カイナ-41】の姿勢で立ち、女性が歩いてきて、男性の左手と女性の右手を合わせる。
男女が、お互いの掌(手のひら)を、一定のテンションをかけて、男性の左手と女性の右手で、お互いの掌(手のひら)を押し合うようにして、男女のコンタクトを作っていけば、ちょうど図のような動きになります。
男性の左手と女性の右手でコンタクトを取るとき、お互いの掌(手のひら)にテンションを掛けて押し合うか、お互いが掌を引っ張り合うようにするか、男女のコンタクトにおける掌(てのひら)の感覚の違いは、非常に重要になってきます。
そして、これが、「カイナを返す」動作をしたときの効果です。
「高い靴を履いたとき」の「カイナを返す」効果は、相撲のテッポウにおける「カイナを返す」時と同じか、それ以上の効果があります。
【カイナ・効果1】掌(手のひら)と肩甲骨を挟み込むようにしても、肘は曲がりません。
【カイナ・効果2】真っ正面から、掌を押されても、ボディは動きません。膝の緩みと、「内踝を押し下げる動き」で、正面からの衝撃を吸収します。
【カイナ・効果3】左腕の前腕にぶら下がるようにして、左腕の前腕を押し下げても、左腕は「ぐらつき」が生じません。 ボディ全体で力を受け止めるので、肩にも負担が掛かりません。
【カイナ・効果4】頸(くび/Neck)が固定されます。
これにより、頭(あたま/Head)が動いて(頭を固定して、視線を上から下に移すだけでもOK)クビの周りの筋肉が変化すると、条件反射的に、ボディ全体が反応します。
【カイナ・効果5】「内踝を押し下げる」「きびすを強く踏み続ける」効果を実感できます。
それと同時に、「頑丈な左腕」「頑丈な背中」が作られます。
普段は、「超!やわらかいボディ」でありながら、「腕のどこか」に、なんらかの力が加わてやるるだけで、一瞬にして、「岩のように頑丈で、柔軟性のあるボディ」に変わる。
わずかな「左手首の変化」で、ボディ全体を変えることが出来る。
この動き、追求していけば、追求していくほど、面白いものがあります。
相撲のテッポウで、
「なにも考えずに、ただ漠然と、左腕を前方に伸ばす」力士
と、
「カイナを返しながら、頸(くび)を固定させて、左腕を前方に伸ばす」力士
がいたとしましょう。
どちらの力士の方が、倒しやすいでしょうか?
倒そうとしても、ピクリともしないんは、どちらの力士でしょうか?
どちらが強い力士なのか、容易に想像できると思います。
日本の社交ダンス(スタンダード種目)では、「肘を真横に伸ばすホールド」が基本になっているようです。
両肘を真横に張った姿勢では、「カイナを返す」動作は、絶対に不可能です。
掌(てのひら)を上に向けて、両肘を真横に伸ばして、肘を折り畳んで作るホールドなので、「腕を返す/カイナを返す」動作など、出来るはずがないのです。
この姿勢から、前後に衝撃が加わると、即座に「内踝(うちくるぶし)」が浮き上がろうとします。
「きびすが浮き上がる」状態になります。
この「T字型」のホールドでたった時、
誰かに、指で「背中」を押してもらってみてください。
簡単に体重は爪先側に移動するはずです。
指で「おでこ」を押して貰ってみてください。
膝が前に倒れて、爪先立ちになります。
これが、日本の社交ダンスのトッププロが教える「踊るためのカラダ」の基本です。
右腕を伸ばすときは、左の肩甲骨を中央に引き寄せ、右肩甲骨を、前方に押し出します。
左腕を伸ばすときは、右の肩甲骨を中央に引き寄せ、左肩甲骨を、前方に押し出します。
これを繰り返します。
図をみると一目瞭然なのですが、 右手の指3本を揃えて、真っ直ぐ(カイナを掛けずに)、指3本で、前方の壁を押しています。
こうすると、伸ばす方の反対側の肩甲骨は、背骨に向かって中央に引き寄せられます。
そして、興味深いことに、指3本を前に突き出すと、へそが「斜め45度」を向きます。
そして、
壁に向かって、指3本を前に出していくと、「踵(かかと)から爪先で、スタンプするように足を動か」動作が、簡単にできてしまいます。
「まさか! こんなに簡単にできてしまうとは!!!」・・・・多くの人は、びっくりするはずです。
(これって、上級者だけに、こっそり教える、社交ダンス界秘伝の高等テクニックなのかも!?)
これが日本の社交ダンス(あくまで日本国内)における、チャンピオンレベルのレクチャーです。
基本が違えば、動きも変わってきます。
相撲でこんなことをすれば、99%、負けるはずです。
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《 正しいダンスって何? 》
社交ダンスでも、一般的なスポーツでも、同じことだと思いますが、
「先生の言ってることは、100%正しい」
という風潮があります。
本当なのでしょうか?
先生の言っていることを、100%信じて、先生についていくのもよいですし、
先生と違う方法で、「上を目指す」のも、よいかと思います。
社交ダンスの基礎に「こだわる」のもよいですし、例えば、「ストリート系ダンス」の基礎が、屈曲系なのか伸展系なのかとか、そういうのを考えるのもよいと思います。
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