9-12:「手首」を使って真っ直ぐに立ち上がる
社交ダンス(スタンダード種目)の男性は、基本的にボディを垂直に保ちながら踊りますが、その際、両足を開いたり閉じたり、姿勢を高くしたり低くしたりするので、骨盤や股関節の筋肉は変化します。
なので、「腰掛けた姿勢から、立ち上がる」という動きには、関心を持ちたいところ。
手の指(親指と小指)、「2本の指をくっつけるだけで、驚くべき効果が・・・・」とか、書いてあります。 やってみると面白い。
「腰掛けた姿勢から、立ち上がる」という下半身と骨盤まわりの動きに対して、「手の指」が大きく影響していることが、実感出来ます。
手首と指を使うと、簡単に立ち上がることができます。
この「手首スクワット」で立ち上がった時、
「立ち上がる時に、普段より、骨盤が前傾して、お腹が飛び出るか?」
それとも、
「立ち上がる時に、骨盤の前傾を抑えて、壁に背中がくっつく感覚になるか?」
の違いを実感する実験だとも言えます。
■ 少し応用しながら、やってみましょう!
本には、「イスに浅く座り」と書いてあります。
今回は、出来るだけ深く腰掛けて「立ち上がれる限界」を探していきます。
足を後ろに引いて、椅子の下に足を入れるのは「NG」とします。
「左手で右手の手首を持ったとき」には、ギリギリ立ち上がることが出来るけど
手首を持たない時には、立ち上がれない。
途中で、手首を離した時には、バックバランスで倒れてしまう。
そんな。ギリギリのポイントを狙っていきます。
そして、次の点をチェックします
・深く腰掛けた時に、立ち上がれるのは、どちらか?
・立ち上がる時、骨盤は前後に動くのか? 前傾が抑えられるのか?
・骨盤の前後運動と、指の動きは、関連あるのか? 無関係なのか?
このあたりを把握することは、とても重要です。
普通に立った時のように「両足の爪先をV字型に開いた時」と、両足を揃えて爪先を正面に向けたとき、両方で試してみて下さい。
そしてもう一つ。
「真っ直ぐ、正面に向かって立ち上がる」
パターンと
「少し、右にカーブするように立ち上がる」
パターンの両方を試してみて下さい。
たぶん、少し右カーブの方が立ちやすいと思います。
(逆に、左カーブだと、非常に立ちにくいと思います)
無意識に「膝と爪先が同じ向き」になっていれば、立ち上がれると思います。
手首と指の力加減によっt、「膝と爪先の向き」が固定され、太腿と股関節まわりの筋肉によって、お尻が浮き上がるように思います。
今度は、椅子に腰掛けた位置から、自然に歩き出す動作をやってみます。
社交ダンスには【骨-61】のように椅子に腰掛けた姿勢はありませんが、ここから立ち上がって、【骨-63】の位置で静止することができれば、なにかの拍子にバランスが崩れたときの「安定感」が違ってくるはずです。
さらに【骨-63】から「足を出していくことが出来る」ことは、動きに幅を持たせる意味で有用だろうと思われます。
「手首と手の指」を使わなければ、この一連の動作は出来ない
・・・とするならば、
「手首と手の指」が動きに幅を持たせているということになろうかと思います。
■ 「親指はブレーキ・小指はアクセル」は、ほんとうに正しいのでしょうか?
最近、社交ダンスにおいても、
「親指はブレーキ・小指はアクセル」
という言葉を耳にします。
それって、ほんとうに、正しいのでしょうか?
確かに、「右手」の親指と小指をくっつけると、ボディの動きが変わってきます。
手の指をくっつけることによるボディの変化が
「膝と爪先が同じ向きに成り、膝が捻れない(膝が回転しない)」
「ボディの回転は、股関節と太腿の捻れによって、吸収される」
とするならば、話は簡単です。
体重が「足の小指」に乗ったとき、
膝は爪先と同じ向きに倒れるとするならば、自然にボディは加速する。
そして、「膝は爪先と同じ向きに倒れる」ならば、
膝の回転が生じなければ、そもそも、親指の上にボディは乗らない。
結果として、「膝と爪先が同じ向き」ならば、ボディにブレーキは掛からない。
「親指がブレーキ」というのは、膝が捻れて膝が回転して、膝と爪先と間に角度差が付いた状態で、「足の親指に体重が乗って、力が入る」のだろうと推測します。
■ 「人差指と中指」の力を抜いて、「薬指と小指」を活用すると・・・・
では、「手首スクワット」の本に書いてある
「右手」の親指と小指をくっつける。
右手の手首の根元を、左手で掴んで固定する。
という動きについて、考えてみたいと思います。。
割り箸を持つとき、右手は「人差指と中指」が主役になります。
ところが、左手は、「薬指と親指」が主役になります。
左右の違いがあります。
「手首スクワット」でやってる動きの最大の効果が、、
「右手の親指と小指をくっつけて、人差し指と中指の力を抜く」
ことだとしたら、どうでしょうか?
普段、「右手で割り箸を持つ」ときに、頻繁に使っている(酷使している)人差指と中指の力を抜いたとき、残ったのは「薬指・小指・親指」の3本になります。
左手に右手を連動させるようになるので、、日常生活の右手の動きとは、全く違った動きになると思います。
さらに、手首の根元を締め付けることによる、なんらかの「両手の手首の回転」が加われば、ボディ全体に変化が出てくるはずです。
小指側から、指を曲げていくと、左右両腕共に、手首は右に回転します。
親指側から、指を曲げていくと、左右両腕共に、手首は左に回転します。
「左右対称じゃないからこそ、出来る動き」というものが、あるはずです。
手首スクワットは、両腕を同時に「小指側から指を曲げていく」のと、似たような効果が出てくるかと思います。
まず、「人差し指と中指を使わない」ことを前提とするだけで、ボディの動きは変わってきます。
として、「小指と薬指・親指の力」を緩めたり強めたりすれば、ボディはこのような動きになるはずです。
■ 肩甲骨の可動域なら「小指と親指」、肩甲骨を固定なら「薬指と親指」
「手首スクワット」の応用として、「手首肩甲骨ストレッチ」というのが、紹介されています。
説明のように、
両手の親指と小指をくっつけて、ボディを左右に回転させると、
腰や膝を回転させずに、
積極的に「肩甲骨(けんこうこつ)の高さの背中」を左右に回転させる
ことが出来るかと思います。
これを応用すると、ボディのいろいろな場所を回転させることが出来ます。
例えば、小指ではなく、「薬指と親指で、リングを作った場合」は、
股関節と太腿が回転する動きと、土踏まずを持ち上げる動きになり、
膝と爪先は同じ方向、そして、上半身は回転しない回転
になると思います。
土踏まずがうまく持ち上がらない時は、股関節と膝の回転
になると思います。
「中指と親指でリングを作る」と、腰と膝が回転する動きになり、「骨盤を左右に振りながら動く」ような感じになりやすいと思います。
「人差し指と親指のリング」だと、膝の回転が強くなるかと思います。
この「手首スクワット」「手首肩甲骨ストレッチ」の動きの原点は、
甲野善紀さんの「井桁崩し理論」
のような気がします。
ただ、
「肩甲骨のストレッチ」の場合は「小指と親指のリング」がベスト
だと思いますが、
「ボディをねじらない動き」を目指すのであれば、
「小指と親指」よりも「薬指と親指のリング」の方が有利になるケース
も、多々あるかと思います。
■ 左手の使い方は、奥が深い
あまり知られていませんが、左手の使い方を変えると、ボディ全体の動きに影響を与えることがあります。 (良い影響・悪い影響、両方あります。)
「手首スクワット」から発展させて、指の動きがボディ全体に与える影響。
手の指をどのように使ったら、骨盤の前後運動が、最大になるのか?
手の指をどのように使ったら、骨盤の前後運動が、最小限に抑えられるのか?
どちらの方が、「腰」への負担は少なくなるのか?
日常生活に置いて、どちらのほうが、有利なのか?
いろいろ、やってみると面白いと思います。
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