0-25:「ボディの回転」は、膝の回転?股関節の回転?
腕の動きが、ボディの影響に影響するのは、これまでも説明した通り。
「右手に割り箸・左手にどんぶり」では、上腕(肩~肘)を外旋、つまり外側に回転させて姿勢を正し、肘を曲げる動きで、手首を口元に持ってきます。
一方、「左手に割り箸・右手にどんぶり」では、上腕(肩~肘)を内旋、つまり内側に回転させて姿勢を正し、前腕の肘の付け根の筋肉(円回内筋)を引き寄せる動きで、手首を口元に持ってきます。
両者で、「ボディの動きが違ってくる」であろうことは、容易に想像できますが、大きな違いが、「ボディの回転」の際にも出てきます。
一番、わかりやすいのは、「開脚」だろうと思います。
● 「左手に割り箸」は、開脚OK、内股NG
【左-32】は、上腕(肩~肘)に内旋(内側に回転)を掛けてから、割り箸を持つ指(薬指が主体)で、「左手前腕の肘の付け根」に回内(ねじれ)を掛けています。
腕を降ろした時や、腕の力を抜いた時よりも、開脚がしやすくなるはずです。
膝と爪先が同じ方向をむいて、股関節を使った開脚になります。
反面、【左-31】のように、膝を内側に引き寄せる(究極の内股)は、やりにくい。
● 「右手に割り箸」は、開脚NG、内股OK
一方、多くの日本人の生活習慣である「右手に割り箸」では、違った結果になります。
【右-32】は、上腕(肩~肘)に外旋(外側に回転)を掛けることによって、両肘の位置を固定してるかと思います。
畳の上に正座して、「割り箸とどんぶり」を持っているときは、上腕(肩~肘)を旋旋(内側に回転)側に固定させた方が、両肘を固定させやすいのですが、椅子に腰掛けた時や、立ち上がった姿勢の時には、腕(肩~肘)を外旋させて両肘を固定させた方が安定するかと思います。
上腕を外旋させると、股関節による内旋、外旋が、非常にやりづらくなります。
結果として、外旋させようとすると、「膝を回転させる意識」になってきます。
膝を回転させても、爪先は動きますが、動き(回転角度)は限定されます。
結果、【右-32】開脚NG、【右-31】内股OK になってきます。
■ 日本の社交ダンスは上腕外旋。膝関節で「左右の捻れ」を作れ!
● 足元をしっかりして、膝から(ボディを)まわす
ボディの回転で、いちばんわかりやすいのが、タンゴのPP(プロムナードポジション)があります。
篠田先生によると
「反対側(右側)に身体をひねる(実際には、足元をしっかりして膝から回す)・・・」
と書いてあります。つまり
「身体の捻ひねり=膝の回転」
という解釈になります。
気になる点として
「初心者の方の中には、PPは男性が左に回って開くのだと思っている方が多い」
と書いてあります。これは、そのとおり。
「左に回って開く」というのは、「腕のホールドの作り方が甘い」ために「膝と股関節の両方、同時に右に回転してしまう」というのが原因。
「膝」と「股関節」を同時に右に回転させると、「ボディの軸」が消滅して、膝や股関節とは逆に、ボディは「左」に回転してしまいます。
上級者になるためのステップアップ方法(上手なPP)は、
「股関節(こかんせつ)を固定して、膝関節(ひざかんせつ)を回転させる」
か、
「膝関節(ひざかんせつ)を固定して、股関節(こかんせつ)を回転させる」
かの選択・・・ですね。
先生の指導方針により、生徒には選択余地はありません。
社交ダンスはペアダンスなので、生徒は、必ず、先生と同じ方法を、選択しなければなりません。
● 「膝の回転=下半身からのムーブメント」という概念
別のページに書いてあったボディの回転ですが、
「膝の回転」=「下半身からのムーブメント」
という扱いになっています。
膝関節は、屈曲しやすいのですが、左右には回転しにくいものです。
毎日、反復練習しているうちに、「膝関節も大きく左右に回転する」
・・・みたいですね。
股関節を回転させたときは、股関節の動きが上半身に伝わってきません。
股関節の回転が上半身に伝わるのは、膝と持ち上げた時など、下半身になんらかのアクションを加えた時だけです。
反面、膝の左右の回転は、ダイレクトに上半身に伝わります。
足裏の回内/回外を起こして、肩甲骨を動かします。
膝を左右に回転させることによって、
片方の肩甲骨を、真ん中に引き寄せ、もう片方の肩甲骨を遠くへ伸ばす。
片方の肩を、背骨(頸椎)の方向に、どんどん食い込ませる。
という動きが、簡単にできるようになってきます。
股関節を積極的に動かすと、どうしても、「×」のような動きになってしまいます。
「×」の動きは、ただただ股関節が、くねくね動いているだけで、下半身から上半身へのムーブメントには、該当しない・・・・というのが、日本の社交ダンスの考え方の根底に存在するようです、
ここで、「日本の社交ダンスの頂点を極める」人は、一つだけ注意してください。
「○」印は、相撲のテッポウとは、まったく異なる動きです。
股関節を使うと出来なくなる動きが、テッポウであろうはずがありません。
● 膝を回転させたときの、ボディの回転
上腕(肩~肘)を外旋させ両肘を張り、両方の膝を「左右に回転」させます。
「慣性の法則」があるので、腕は回転しないかもしれません。(個人差あり)
何度も「膝を左右に回転させているうちに、わかってくることですが、。
「支え足側のみぞおちを持ち上げる」ようにすると、すべての動きがスムーズになります。
基本は、前腕や手首を使わずに、「上腕を外旋させること」です。
そして、股関節を回転させないこと(股関節と膝を同時に回転さえると、ボディの軸がなくなる)。
床に着いた足を回転させずに、膝を左右に回転させ、膝と爪先に「角度差」を付けることが、基本になります。
■ 上腕内旋・前腕回内なら「股関節の回転」、膝を捻らないボディの回転
日本の社交ダンスは、上腕(肩~肘)を、外旋、つまり外側(後ろ側)に回転させてホールドを作るのが大前提になってます。
従って、日本のプロの先生のレクチャーには、
「膝を捻らないで、股関節を回転させる」というレクチャーは
おそらく、存在しないと思います。
●両腕を斜めにして上腕を内旋、「前腕の回内」でボディを回転
こちらは、両腕を斜めにして、てのひらを下向き。 上腕を内旋させて作るホールドです。
このホールドでの回転は「前腕の回内」、つまり、前腕の2本のが大前提になります
。
左右の腕のどちらかに、「前腕の回内」させることで、股関節を動かします。
膝は回転しません 「膝と爪先は同じ向き」にすると、ボディは安定します。
(ボディに引っぱられて、膝は少し回転しますが、膝が回転したり、左右に倒れたりしないように、常に注意を払います)
前腕には2本の骨があり、2本の骨をクロスさせることで、前腕を「回内」させます。
肘を跨ぐように、「回内させる筋肉」と「回外させる筋肉」がついています。
「回内/回外」筋肉が、股関節周辺の筋肉と連動して、股関節を動かします。
腕を斜め前に伸ばし、上腕(肩~肘)を「内旋」させておくことで、前腕の回内、つまり2本の骨のクロスを最大化させることができます。 これにより股関節が動き、ボディを回転させることができます。
ただし、「前腕の回内」が上手に出来ず、どうしても「手首と肘を同時に回転してしまう」場合は、超!悲惨なホールドになってしまいます。
背中が丸くなり、クビが垂れて下を向き、ボディが離れます。
「床を見ても、おカネなんか落ちていないぞ!」
と言って、先生に叱られてしまいます。
もっとも、日本の社交ダンスは、最初に「上腕の外旋」ありきなので、「前腕の回内」なんて、聞いたことのある人は、殆どいないとは思いますが・・・・
こんな感じです。
上腕を内旋させていると、太腿は持ち上がりにくくなってます。
腕の前腕と、足首を使って、「膝を持ち上げる」ようになります。
● 外国人の中には、「上腕を外旋」させない人もいる
コメントは、省略します。
● 膝の回転なのか、股関節の回転なのか、チャックしてみよう!
これは、腕を降ろしているので、少なくとも「上腕の外旋」はありません。
じゃぁ、前腕の回内/回外は?? なんともいえませんね。
膝を回転させて、ボディを回転させているか?? どうでしょうか?
|
|
あ
|
|