0-12:「踵の上」に立てない人は「ダンスの落伍者」なのか?
さて、両足を揃えて、両足の踵を床に付けて、立ったったときのバランスは、
「右手に割り箸・左手にどんぶり」のときのボディは、踵の上(ヒール・ウェイト)
「左手に割り箸・右手にどんぶり」のときのボディは、母趾球の上(ボール・ウェイト)
になる....というのが前回の話。
篠田学先生のレクチャーをよく読むと、
「男女ともに、上体は常に足のボールの上にある」
と書いてあります。
これならば・・・
最初から(両足を揃えて、踵を床に付けて立った時に、すでに)母趾球の上にボディがある人(つまり、最初から、ボール・ウェイトの人)でも、とりあえず、なんとか、曲がりなりにも、「社交ダンス」というものを、踊るることはできそうです。
そうは言っても、両足を揃えたときに「最初からボールの上に立つ習慣」のある人は
「踵(ヒール)の上と、母趾球(ボール)の上との間での体重移動」
が出来ないのですから、他の人と同じ足の動きは出来ません。
確実に、他の人から「置いてきぼり」を食らいます。
「社交ダンスのダンスの落伍者になってしまう」ということです。
この悲惨な現実。。。。なんとか、ならないものでしょうか?
「最初から、ボールの上に立っている人」向けの踊り方は、無いのでしょうか?
■ 外国には、「踵の上に立てないホールド」を教える先生もいる!
両足を揃えて、くるぶしの上(実際は、踵の上)に立つ。
それが「基本の立ち方」として教えるのが、日本の社交ダンス。
しかしながら、違うことを教える先生も、外国にはいるようです。
両腕を斜め前に出して、てのひらを下に向けたホールドです。
実際には、上腕(肩~肘)を内側に回転させる。 上腕の内旋ですね。
バレエでいえば、「肩から肘までは、アン・ドゥダン(内回り)!」。
このホールドで立った場合、もしくは、このホールドで立つことになれた場合、
開脚すると、踵(ヒール)の上に立てるけど、
両足を揃えたときに、踵(ヒール)の上に、真っ直ぐに立てない!
両足を揃えて、踵を床に着けて立てば、ボディは自然にボールの上に来る。
といった感じになります。
もし、この外国の先生が「社交ダンスの落伍者」でないとするならば、
この先生と同じ基礎で踊ることで、「最初から、母趾球の上にボディがある」人でも、「社交ダンスの落伍者」にならずに済む可能性がある...ということです。
もしかしたら、こっちのほうが、楽しいかも!!
■ (メシを喰うときの)腕の動きと、体重移動・・・検証してみましょう!
それでは、メシを喰う時の
「割り箸で、食べ物を掴んで、口元に運ぶときの右腕/左腕の動き」
に連動して、ボディを動かすと、どうなるか?、
● 両足を揃えて踵(ヒール)の上に立ったとき
【右-11】→【右-12】
右手に割り箸を持つと、右手の上腕は「外旋」します。
両足を揃えて、右手に割り箸を持った時、本来のウエイトは「踵(ヒール)の上」。
ここから、「右手の割り箸」を上手に動かせば、ボディは母趾球(ボール)の上に、スムーズに移動します。
【左-11】 →【左-12】
左手に割り箸を持つと、左手の上腕は「内旋」します。
両足を揃えて、左手に割り箸を持った時、本来のウエイトは「母趾球(ボール)の上」。
なので、背中を壁につけた段階で、バックバランスになり、動けなくなります。
●両足を「V字型」に開いて、踵(ヒール)の上に立ったとき
今度は、足を揃えずに、足を「V字型」に開いたところから、同じ事をやってみる。
「V字型」に足を開いて、背中を壁に付けたところから、いきなりスタート。
左手に持った割り箸を手前に引き寄せると、踵が外側に動いて、両足が平行になり、スムーズにボディが、母趾球(ボール)の上に移動していきます。
逆に、右足に持った割り箸を手前に引き寄せると、ボディが前方に倒れ込み、爪先に強い体重が掛かります。
(実際の踊りの中でこれをやると、親指の爪先から、母趾球にかけて、ピンポイントで体重が掛かり、足の裏が痛くなってくると思います。)
●「左手にフォーク、右手にナイフ」だと、どうなるの?
西洋人の食事は、ナイフとフォーク。
フォークを持つ手は、右手ではなく、左手です。
フォークをもった左手を、口元に運びます。
モノは試し! 同じ事をやってみましょう。
結論としては、「左手にフォーク」は、「左手に割り箸」と同じ。
【洋-21】~【洋-23】のように、「V字型」に立った姿勢からの体重移動は、簡単にできてしまいます。
でも、【洋-11】~【洋-12】のように、両足を揃えて背中を壁に付けた姿勢からだと、「左手に割り箸」よりも悲惨な、「最悪な動き」になってしまいます。
■ 日常生活の生活習慣によって、「立ち方」「踊り方」が変わってくる
社交ダンスは、楽しく踊ることが基本です。
日常生活の生活習慣によって、「立ち方」「踊り方」が変わってくるのであれば、
一人一人が「自分の生活習慣に合わせた立ち方・踊り方」をすれば良い
ということになります。
ただし、日常生活の習慣が違えば、「ボディの動きも違ってくる」ということ。
他人がどんな踊りをしても、自分は自分の踊りを、追求していけばいいと思います。
じゃぁ、「社交ダンスを教える先生」は、どんな踊りを目指しているのかな?
「自分と違う踊り方をする人」に、どれだけの関心を持つものなのか?
そういうのって、すごく、気になりますよね。
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