0-26: 「膝を上げる」と「太腿を上げる」とは、同じ?違う?
なんだか、書き出しの文章が、まるっきり、思い浮かばない...
ぜんぜん、書く気が起きない。
ともかく、今回は、
「膝を上げる」のと「太腿を上げる」のは、同じ意味なのか、違う意味なのか?
これついて、書いていきます。
イギリスのコーチャーは、「knee up」という言葉を使うそうです。
「膝を持ち上げろ!」という意味ですね。
じゃぁ、「膝を持ち上げろ!」とは、どういうことなのか?
いちばん、わかりやすいのは、両足の踵(ヒール)を浮かして、立っている姿勢から、片足を出していくときの動きです。
■ 膝を持ち上げる動きも、上腕の内旋/外旋によって、変わる
● 右手に割り箸、上腕「外旋」での KNEE UP !
【右-41】右足に割り箸を持って、踵を浮かせます。
【右-42】のように、割り箸を口元に近づけると、上腕(肩~肘)は、外旋、つまり外側に回転というか、後ろ側に回転すると思います。
ここから、「knee up!」、つまり、膝を持ち上げるとどうなるか?
【右-43】のようにバックバランスになると思いますが、どうでしょうか?
では、「膝を持ち上げた姿勢」、で安定して立つ時には、どうすればよいか?
【右-44】のように、「膝を持ち上げる」という意識をすてて、「太腿を下から支えるようにして持ち上げる」という意識を持つと、安定して立つことができるようになります。
「太腿を持ち上げる」と、結果として「膝が上がる」という考え方です。
このまま、踵を降ろすと、【右-45】のように、ボディは、支え足(左足)の踵(ヒール)の真上で静止します。
● 左手に割り箸、上腕「内旋」での KNEE UP !
【左-41】右足に割り箸を持って、踵を浮かせます。
【左-42】のように、割り箸を口元に近づけると、上腕(肩~肘)は、内旋、つまり前側に回転というか、手前に回転すると思います。
ボディを安定させるために、踵(ヒールで)で床を踏もうとすれば踏もうとするほど、土踏まずが持ち上がって、踵が浮いてきます。
ここから、「knee up!」、つまり、膝を持ち上げるとどうなるか?
【左-43】のように、膝は高く上がらず、足の裏が、床を這うように(床から少し浮いた状態で)前方に進んで行きます。
上腕(肩~肘)を内旋させると、太腿(ふともも)は、持ち上がりません。
意識的に、太腿が持ち上がらない状態を作り、膝を持ち上げようとすれば、足は前方に進んで行きます。
「膝が持ち上がらないのを承知で、膝を持ち上げようとすれば、足が前に出る」
という考え方です。
踵を降ろすには、【左-45】のように、左腕を伸ばしていけばOK。
左右の足の中間に、ボディが動いて、自然に踵が床に着地します。
● 外国人のコーチャーのいう、「knee Up」は、どちらの意味なのか?
はっきりいって、わかりません!
コーチャーの上腕が、「外旋」になってるか、「内旋」になってるかで、決まりますね。
■ 太腿を持ち上げない人(上腕内旋でのホールド)は、人間じゃない!?
日本の社交ダンスの特徴は、
「先生の言ってることは、ぜったいに、すべてが正しい!」
という考え方に基づいて、レッスンが行われているということ。
「ダンスの理論が正しいか」というのなら、日常生活においても、先生と違うボディの動きをする生徒は、「マトモな人間として、扱いされない」ということが問題です。
どんな偉い人でも、「自分が知らないこと」というのは、存在します。
「オレ様は、全てのことを知ってるのだ!」と、本気で思い込んでるのは、日本の社交ダンスのプロ教師くらいでしょう。
例えば、
前進でも後退でも、腿は「必ず一度上がってから動く」
というのは、必ずしも正しくない。
右足の膝を持ち上げたければ、両足の太腿(ふともも)を手で押し下げて、椅子から骨盤を浮かせてやればいい。
骨盤が持ち上がったところで、(両方の太腿を押し下げながら)片方の膝を持ち上げてやれば、膝が持ち上がって、ボディは前に進んでいきます。
骨盤を浮かせるときの上腕は「内旋」しているはずです。
堀口史朗先生のいうように、太腿を持ち上げれば、骨盤が椅子に貼り付いたままで、右足は前に出ます。
ここから、どうやってボディを動かすのでしょうか?
後退も同様です。
太腿を、手で押さえ続ければ、骨盤を持ち上がります。
太腿が持ち上がらないように、動かしたい足(右足)の膝を持ち上げようとすれば、反対に支え足側(左足)の踵が浮き上がりますから、骨盤を上手に浮かせば、右足を後退させることが出来ます。
上腕(肩~肘)を外旋、つまり後ろ側に回転させてホールドを作っている場合、
「膝を持ち上げる」という意識を捨てて、「太腿を持ち上げる」という意識を持つ
ことは、とても有効な手段です。
特に、女性のホールドで、「上腕(肩~肘)を外旋」を徹底的に指導されている場合、太腿を持ち上げずに膝を持ち上げると、後ろにぶっ倒れやすい。
特に、「上腕外旋」での女性の後退は、倒れやすくなります。
■ 太腿を(持ち上げて)押し下げて、膝を持ち上がる方法は、存在する
堀口史朗先生のいう
前進でも後退でも、腿は「必ず一度上がってから動く」
「腿(太腿)を持ち上げる」、結果として膝が上がる
というのが、必ずしも正しくないことを証明しましょう。
これは、弓道の例。
「座っている姿勢から、立ち上がって、片方の足を前に出す」
動きを考えてみましょう。
片方の足を出すには、「膝を持ち上げる」必要があります。
では、その仮定で「腿(太腿)を持ち上げる」という動きは、存在するのか?
膝を持ち上げる課程で、太腿は、下方、もしくは後方に押し下げられてるはずです。
素早く立ち上げれるのが、蹲踞(そんきょ)。
正座と、蹲踞の中間で、足裏を立てているのが、跪坐(きざ)。
立ち上がるのに時間が掛かるのが、正座(「坐」の字になってます)。
いずれも、太腿(ふともも)の上に両手を置き、指先を内側に向けてます。
これらの姿勢から「素早く立ち上がる」時には、片方の「膝を持ち上げて、足を出す」必要があります。
「膝を持ち上げる時は、太腿を持ち上げる」動きが、必要なのでしょうか?
● 座り方には、2通りある
詳しい説明は、省略します(別のセクションで説明します)が、
【椅-12】のように、太腿を(下から)持ち上げても、
【椅-13】のように、太腿を(上から)押さえつけても、
立ち上がる事は可能です。
立ち上がろうとすると
【椅-12】では「上腕が外旋」、【椅-13】では「上腕が内旋」
になるかと思います。
【1-A】と【1-B】の2者択一ならば、【1-B】でしょう。
【1-B】の姿勢からでは、太腿を持ち上げることで、足が動きます。
この違いに関しては、別のセクションで、説明します。
でも、こちらの座り方では、太腿を持ち上げても、ボディが後ろに倒れるだけで、足は動きません。
立ち上がる時や、足を動かすときは、「上腕を内旋」させて、太腿を床に向かって押します。 そうすると、膝が持ち上がって、足が動きます。
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