1-03:「左手にフォーク」がダメなのは、「基礎」が違っているからだ!
同じように、腕を持ち上げて、肘を固定して、姿勢を維持(ホールドを作って)いるにもかかわらず、
「右手に割り箸を持つ」と簡単に出来ることが、「左手にフォークを持つ」と出来なくなってしまう。
それは、いったい、何故なんだ!!!
社交ダンスの一番の「基礎」にあたる、この2つの動きにおいては、「右手に割り箸」が圧勝だった。
これに限らず、「日本の社交ダンス」の「基礎」と呼ばれる動きにおいては、
「割り箸 と どんぶり」を持ったときには、ほぼ「完璧」とも言える動きが出来ます。
それとは逆に、
「フォーク と ナイフ」を持った時には、見るに耐えない「最悪」な動きになっていまいます。
それは、いったい、何故なのでしょうか?
なにかが、「日本の社交ダンスの基礎」に対して、徹底的に「邪魔」をしている・・・・ってことです。
■ 「左腕を動かすと、土踏まずが持ち上がり、踵が浮き上がる」という不思議な動き
「フォーク と ナイフ」を持つと、「日本の社交ダンスの基礎」が通用しなくなる原因、これです。
【食-62】のように、「左手にフォーク」を持った時には、踵(ヒール)を床から高く浮かせることが出来ます。
踵(ヒール)が浮き上がらないように、爪先を浮かせ気味にして、足首を曲げたままにして立っていても、「左腕の力」の方が強いので、「左腕を使って、踵(ヒール)を浮かせる」ことができます。
「右手に割り箸」を持った時には、[足首の屈伸」で、意識的に踵(ヒール)を持ち上げることは出来ますが、左腕を使って、踵(ヒール)を浮かせることは出来ません。
【食-162】のように、「右手の割り箸を口元に運ぶ」ことによって、膝と足首が曲がり、足の裏全体が床に貼り付いたような「安定した、低い姿勢」を保つことが、簡単にできるようになります。
では、なぜ、「左手にフォーク」を持つと、踵(ヒール)が浮き上がるのでしょうか?
「Ballroom Fitness みらい」では、
「左腕を使って、土踏まずを吊り上げると、踵(ヒール)が床から浮き上がる」
という表現を使っています。
【食-66】のように、左手にフォークを持って、階段に左足の先端を「引っ掛けて」おいて、
左足の踝(くるぶし)もしくは踵(ヒール)に、思いっきり体重を掛けたら、どうなるか???
なぜか、【食-67】のように、胴体(ボディ)全体が持ち上がって、後ろ足(右足)が浮き上がります。
左足の踝(くるぶし)を踏み込む力が強ければ強いほど、胴体(ボディ)は、高く持ち上がります。
これは、「左腕の変化に連動して、土踏まずが吊り上げられた」と考えられるかと思います。
試しに、【食-166】のように、「右手に割り箸」をもって、同じことをしてみると、違いがわかります。
【食-167】のように、踵(足裏のヒールの部分)が持ち上がって、足首が前に突き出た格好になります。 「右手の割り箸」の動きに連動して、胴体(ボディ)が持ち上がることはありません。
このことから
「左手にフォークを持つと、左手を使って、土踏まずを吊り上げることができる」
「なんらかの理由で、左腕に変化が生じると、土踏まずが吊り上がり、踵(ヒール)が浮き上がる」
と考えて良さそうです。
「左手にフォーク」を持つと、「土踏まずが吊り上がり、踵が浮き上がる」というのは、
この結果にも出てきてます。
【食-14】→【食-15】の「左手にフォーク」では、意識的に踵(ヒール)を持ち上げているのではなく、
「左腕を使った、土踏まずを吊り上げる力が、働いているからこそ、
踵(ヒール)が床から浮いている状態で、歩き続けることが出来る」
ということになろうか思います。
試しに、左腕の力を抜くと、「土踏まずを吊り上げる力」が消滅して、踵が床に着いてしまいます。
【食-18】→【食-19】の「右手に割り箸」では、
「腕を使って土踏まずを吊り上げる」ことは出来ないので、
「踵を床から浮かせろ!」と言われれば、爪先ツンツン歩きになってしまう
それを避けるためには「低い姿勢で、足の裏全体を床に貼り付ける」ようなフットワークを基本にする必要がある(腕を持ち上げて肘を固定した場合)ように思います。
ここで重要なのは、「こうすれば、こうなるよ!」ということではなく、
「そもそも、ほんとうの社交ダンスの基礎ってのは、どういうものなのか?」を考えることです。
■ 「左手にフォーク」で、「日本の社交ダンスの基礎」が、出来なくなる理由
「左手にフォークを持つ」ことにより、「土踏まずが持ち上がり、踵(ヒール)が浮き上がる」という動きの存在がわかってくると、「日本の社交ダンスの基礎」が通用しなくなることが、明白になってきます。
【食-31】は、壁に背中をつけて、踵(ヒール)もしくは踝(くるぶし)の上に立った状態。
「土踏まず」よりも後方に立ってます。
ここから、「左腕の筋肉いn変化」が起きて「土踏まずが吊り上がる」と、【食-32】のように後ろに倒れるのは当然ですし、「吊り上がろうとする土踏まず」を乗り越えて前に出ようとすると、【食-33】のように前方にぶっ倒れるのも当然です。
【食-36】【食-37】については、「土踏まずが吊り上がった」状態で、あとで説明する「足首を使って床を踏み込む」操作ができなくなるので、動けなくなったり、激しく姿勢を崩したりします。
「左手にフォーク」をもって、「腕を持ち上げて、肘を固定した」ときの動きは、原理的には、こんな感じで意図思います。。
「腕を持ち上げて肘を固定した姿勢」で「左手にフォーク」を持つと、「土踏まず」が吊り上げられます。土踏まずが吊り上げられれば、踵(ヒール)が浮き上がります。
この状態から、全力でめいっぱい、踵(ヒール)で床を踏み込んでも、踵(ヒール)は落ちません。
踵(ヒール)を強く踏み込めば踏み込むほど、大きな歩幅で、胴体を前方へ運ぶ(歩く)ことが出来ます。
「左手にフォーク・右手にナイフ」の生活習慣を持つ人であれば、こちらのフットワークの方がスムーズな動きになるような気がします。「左手に割り箸」を持つ「左利きの日本人」も同様だと思います。
実際、このフットワークでも「社交ダンス」は踊れます。
ただし、日本国内においては、完全否定される可能性が非常に高い・・・・ですね。
■ 日本の社交ダンスは、「左手にフォーク」のフットワークを、根底から否定している
今度は、「日本の社交ダンスの基礎」は、「土踏まずを吊り上げて、踵(ヒール)を浮かせる」という方法を「完全否定している」ことを、確認(証明)してみましょう。
【食-131】両足を綺麗に揃えて、「普段よりも内股」で立ちます。
【食-132】右手に割り箸を持ち、割り箸を口元に運ぶと、膝と足首が曲がり、足の裏全体が床に貼り付きます。そして、体重は母趾球(ボール)の上に移動します。
【食-136】両足を前後に開いて、「普段よりも内股」で、「後ろ足の真上」に立ちます。
【食-132】右手に割り箸を持ち、割り箸を口元に運ぶと、胴体(ボディ)は「前足の真上」に移動します。
「常に母趾球(ボール)の上に立つ」というのは、社交ダンスにおける、基本の中の基本です。
ですが、「足の裏全体を床に貼り付けるような感覚」は、ほんとうに「基本」なのでしょうか?
「自分の全体重を床の中にのめり込ませるような気持ちが大切です」と書いてあります。
すべての体重を、母趾球(ボール)の上に集中させる。
足首と膝を深く曲げれば一時的に、体重計のメーターは振り切れます。
そのときのカラダ全体の感覚を、キープしましょう!ということなのでしょう。
一方で、「左手にフォーク」を持つと、「土踏まずを吊り上げる力」が生まれます。
そうすると、「踝(くるぶし)で床を踏み込む力」を掛けることが可能になります。
両方が釣り合ったとき、母趾球(ボール)バランスが生まれます。
「左腕を使った、土踏まずを吊り上げる力」が強ければ強いほど、「踝(くるぶし)で床を踏み込む力」を強くすることができるようになります。
意識手金「支え足の母趾球(ボール)で床を押して、その位置で体重を降ろす」ためには、「土踏まずを吊り上げる力」を完全に消滅させる必要があります。
無意識に発生する「左手にフォーク」の左手の使い方を、完全に消し去る必要があるということです。
もしも、左手の筋肉の変化が生じて、「土踏まずが吊り上げられる」動きが発生したら、前方にボディが押し出されるか、後方に倒れ込むか、どちらになってしまいます。
「右手に割り箸」を持った時には、「支え足の真上に降りる」ことは簡単にできます。
膝を足首が曲がり、足の裏全体が床に貼り付いた、低い姿勢で安定します。
そして、「左手に持ったどんぶり」が、低い姿勢を「より安定した姿勢」へと導いてくれます。
「日本の社交ダンス」は、原理的には、こんな感じになっているはずです。
「腕を持ち上げて肘を固定した姿勢」で「右手に割り箸」を持つと、掌(てのひら)の小指側が口元に近づきます。
この動きによって、胴体(ボディ)は、前足の真上に引き寄せられます。
極端な場合、例え「股(また)が裂けるくらい、大きく足を開いた姿勢」からでも、前足の上に胴体を移動させることは可能です。 それくらい「右手に割り箸」を持った時の、右腕の力は強力です。
足の裏の動きは、踵(ヒール)と土踏まずが同時に動きます。
足首が深く曲がって、足の裏全体(踵と土踏まず)で床を踏み込みます。
胴体が前足の真上を通過した後は、足首が伸びて、踵と土踏まずが高く持ち上がります。
■ 「踊る」ということは、どういうことなのか?
「社交ダンス」は、「左手にフォーク」でも「右手に割り箸」でも踊れます。
でも、「社交ダンス」というのは、「どういう動きを楽しむモノなのか?」ということが重要です。
「左手にフォーク」を持って完璧なフットワークで踊れたとしても、それは、根本的に「日本の社交ダンス」ではないからです。
「日本の社交ダンス」の根底にあるのは「右手に割り箸を持った時のカラダ」の動きが絶対条件です。
「左手にフォーク」を持つと、常時、「土踏まずを吊り上げる力」が生まれます。
指先関節の力加減で、「土踏まずを吊り上げる力」の強弱を加減することができます。
「左手にフォーク」の感覚があれば、そもそも「体重が床に落ちること」なんて、あり得ない。
(油断して、左手の感覚がなくなると、ストンと「体重が床に落ちる」ことになります)
でも、それは「日本の社交ダンス」では、禁じ手です。
まず、「土踏まずが吊り上がる」力を完全にゼロにして、「低い姿勢で立つ」必要があります。
このためには、「左手にフォーク」の感覚は厳禁。左手は「どんぶり」の感覚が必要です。
そして、「支え足の膝を足首を使って、身体を斜め前に送り出す」必要があります。
「トランプをめくるような動作」についても同様です。
「日本の社交ダンス」でいう「ピール(Peel)」の意味を理解する必要があります。
「裏向きのトランプ」を「めくる」とき、2本の指でトランプの隅を押して、2本の指を引き寄せると、トランプの真ん中が浮き上がってきます。
ちょうど、ボール母趾球に体重を掛けながら、踝(くるぶし)を踏み込もうとすると、腕の筋肉が変化して、「土踏まず(足の真ん中)が吊り上げられる」動きが生まれて、踵(ヒール)が浮き上がります。
でも、これは「日本の社交ダンス」における「めくる」、トランプのピール(peel)ではありません。
これをやったら、即!退場です。
トランプをめくるときには、トランプの真ん中を親指で押さえて、人差し指の爪を、テーブルとトランプの僅かな隙間に引っかけて、爪を持ち上げてトランプの角(足の裏のヒールの部分)を「めくり」ます。
これが、日本の社交ダンスにおける「めくる/ピール/peel」です。
「トランプのめくり方が違う」の「検定試験(メダルテストや指導者試験)をやって、「めくり方が違う」人を、退場者を続出させていけば、たぶん「爪の長い人」が勝ちます。
こんなルールを強制して、それを「社交ダンス」の定義にして、多くの人を「脱落」させる。
こんなルールの制約の中で、競技で競い合うのって、ほんとうに楽しいのでしょうしょか?
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