1-00:社交ダンスはなぜ「腕を持ち上げて、肘を固定して踊る」のか?
これから社交ダンスを始めようとするする人が、
「社交ダンスは、腕を持ち上げて、肘を固定して踊るのでしょうか?」
という、超!初歩的な、質問を投げかけてきたとします。
「Ballroom Fitness みらい」は、次のように答えます。
まず、「両腕を持ち上げて、両肘を固定する」ことで、胴体(ボディ)の安定を保つことができます。
次に、「腕(特に肘から先、手首や指先)の筋肉の動き」と「足の裏の動き」とが、関連付けられます。
「手首や指先の微妙な変化」が増幅され、足首よりも先(踵や土踏まず、legに対してfoot)を動かし、
カラダ全体の大きく滑らかな動きを生み出すことが出来るようになります。
社交ダンス(スタンダード)は、大きく足を開いて、「大きな歩幅」で、胴体(ボディ)をスムーズに運んでいきます。
これは、「腕を大きく振って、自由に動かした時」よりも、「腕を持ち上げて肘を固定する」方が「圧倒的に有利になることがあり得る」・・・・ということを意味します。
では、「大きな歩幅で、胴体を運んでいく」時は、
なんでもいいから、「腕を持ち上げて、肘の位置を固定しておけば、それでいいのか?」
といえば、そうではありません。
「《適当》に腕を持ち上げる」のではなく、「《適切》な腕の使い方」というのがあるはずです。
社交ダンスの「ほとんどの足形(ステップ、フィガー)」は、
「割り箸 と どんぶり」もしくは「ナイフ と フォーク」を持って「両肘を固定した姿勢」
(と、同等の腕の使い方)で、踊ること(一曲すべてを踊りきる)が出来ます。
さすがに、割り箸やフォークを持つと、男女向かい合わせで踊ることは、物理的に不可能です。
でも、バランス感覚やフットワークを確認するために、一人でシャドーをすることは十分可能です。
社交ダンスでは、多くの場合「姿勢の崩れ」に、悩まされます。
ところが、「割り箸 と どんぶり」もしくは「ナイフ と フォーク」を持ってシャドーをすると、「姿勢の崩れ」が解消することが多々あります。
食事の際の腕の動きは、合理的な動きであり、カラダ全体を安定させる役割を果たしている。
その際の腕の動きは、両足が大きく開いた姿勢や、体重移動の途中においても有効である。
ということでしょうか。
普段の日常生活における「通常歩行」、つまり「左右の足を交互に前に出して歩く」ときには、
「腕を下に降ろして、前後に腕を振りながら歩く」
のが一般的だろうと思います。
このとき「腕」には、微妙な回転や、微妙な回転や、微妙な捻れ(ねじれ)、さまざまな腕の筋肉の変化が「無意識のうちに発生している」と思います。
ところが、社交ダンスを始めた頃(初心者の頃)は、「腕を持ち上げて、肘を固定した姿勢」で、左右の足を動かしていくと、、胴体(ボディ)が前後に倒れます。
「腕を使ったバランス感覚」が取れなくなるので、安定感を失うのは当然といえば、当然です。
じゃぁ、どうすればいいか?
「下半身、とくに支え足(体重を乗せている足)を強化することで、バランスの崩れを回避する」
という方法もありますし
「上手に腕を使うことで、腕によって、バランスの崩れを吸収する」
という方法もあります。
「腕の筋肉の変化」で、カラダ全体のバランスを取るときのルールとしては
・「左手に フォーク、右手に ナイフ」 を持った時の腕の使い方を基本とする。
・「左手に 割り箸、右手に どんぶり」 を持った時の腕の使い方を基本とする。
・「左手に どんぶり、右手に 割り箸」 を持った時の腕の使い方を基本とする。
・上記のどれにも属さない、「社交ダンス特有の腕の使い方」が存在する。
・社交ダンスには「腕の使い方」は無関係。すべては下半身(特に支え足)で決まる。
いろいろ考えられます。
いろいろと、ルールを決めて、どれが「安定する」か、試して見ると面白いです。
どれも同じ・・・・はずがありません。
じゃぁ、どの「腕の使い方」が「社交ダンスにとっての理想」なのか?
それは、実際に、試して見ればわかります。
■ 男性の「リード」は、どうやって女性に伝わるのか? 腕? 胴体? 膝?
社交ダンス(スタンダード)においては、男性の「リード」が女性に伝わります。
男性のカラダの動きが、女性に伝わる・・・・ということです。
では、「男性のリード」と称する動きは、男性のカラダのどの部分の動きが、女性に伝わることなのでしょうか?
女性は、男性のどの部分の動きの変化で、「男性のリード」を「最初に」識別できるのでしょうか?
(あ)男性の「腕(アーム)の動きの変化」が、最初に女性に伝わる。
(い)男性の「胴体(ボディ)の動きの変化」が、最初に女性に伝わる。
(う)男性の「脚(レッグ・膝など)の動きの変化」が、最初女性に伝わる。
どれが「正しい」と思いますか?
着目すべきなのは、「ホールド(つまり両腕)で女性をリードすることが多い」と書いてあること。
「両腕」というは「ホールド(hold)」なのでしょうか?
まず、これを考える必要があります。
「左手にフォークを持って、肘を固定した」場合と、「右手に割り箸を持って、肘を固定した場合」では、「足の膝」の使い方がまるっきり変わってきます。
特に、写真のように「反時計回りの動き」では、「膝の動き」には大きな違いが出てきます。
なので、「足の膝を使って女性を前後左右にリードする」ためには、「腕の使い方を男女で一致させておく必要性」があります。
腕の使い方が男女で違っていると、膝を使ってリードは、まるっきり相手に通じません。
このイラストを見る限り、ただ単に「男女が抱き合っている」ように見えますね。
男性のお腹で女性を押し出しながら前進し、女性はお腹を引きながら後退する。
ただ、それだけのように見えてしまいます。
でも、これ、すごく、楽しそうですね。
この方法が一番、確実で、一番シンプル、一番わかりやすい。
ただ、最大の問題は、男女の胴体(胴体)が1mmでも離れてしまうと、リードが掛からなくなってしまうという点です。
もし、近くに胴体(ボディ)を離して踊っている男女がいたとしたら、「リード&フォローをやらずに、お互いが、事前の打ち合わせ通りに踊っているだけ」だったり、「間違ったリード&フォローで踊っている」ということになってしまいますね。
日本のトッププロの先生が、
「胴体(ボディ)を使って女性をリードする」とか「膝(ひざ)を使ってリードする」
というのに対して、「Ballroom Fitness みらい」では、
「腕を使って女性をリードする」
という方法を採っていきます。
これは、左腕を使った「護身術」。
軽く左腕に「回転」や「ねじれ」を加えてやるだけで、相手が動けなくなってしまいます。
腕の筋肉の変化は、自分のカラダ全体に及ぶだけでなく、相手のカラダ全体にも及びます。
だったら、これを応用して、女性をリードすればいい。
意外にも「左手にフォークを持ったときのカラダの動き」や「右手に割り箸を持ったときのカラダの動き動き」は、これに通じるものがあります。
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